「こんまり」さん、片付け諦めた?
「こんまり」の愛称で知られる
片付けコンサルタントの近藤麻理恵さんが
「3人目の誕生をきっかけにいい意味で
(片づけのプロであることを)あきらめた。自宅は散らかっている」
と発言したことがアメリカのワシントン・ポストの記事になり、
賛否両論の大論争になっているそうです。
SNSで流れてきたニュースが、
週末の日経新聞にまで載っていてびっくり。
「賛否両論?『否』ってなんだ?」
と思ったら、突然の路線変更に対する
厳しい批判や謝罪を求める声があるとか。
…うーん、「話が違う!今までのはなんだったの?」
と言いたくなる気持ちもわかりますよ。
これまでこんまりさんの発言や本を愛読し、
どんなに子育てが大変で片づけどころじゃない時も
こんまりさん流の片づけを頑張ろうとしてきた人がきっと、
たくさんたくさん、いるんだと思います…。
でもね、あえて申し上げます。
たとえプロであっても、
自分の暮らしを、他人に決めさせないでください。
こんまりさんの1冊目の本が大ベストセラーになった当時、
彼女は20代の独身女性でした。
私も本は読ませていただきましたが、
「書類は全捨てしてOK」など、
家族や持ち家のある年代の女性にとっては
現実的ではない提案も、たくさんありました。
※ちなみにこんまりさんもその次に出版された本では
「書類は全捨て」を、確か撤回していらっしゃいました。
こんまりさんのおかげで、
当時は私の片づけの講座や講演会にまで
受講生さんが増えました(笑)。
どちらかというと、
- 「書類は全捨て」って書いてあるけど本当に捨てていいんでしょうか?(泣)
- 夫の〇〇、全然ときめかないんですけど捨てたら大げんかになりました…。
- 「片づけ祭り」の時間が取れませんー!汗
など、こんまりさん流を実践しようとして
「迷える子羊」状態になった方々です。
その度に
- 「書類は全捨て」しちゃだめですよ!
こんまりさんは独身の、おそらくまだ重要書類を持たない暮らし方の女性です。
結婚もして子供もいるあなたには生命保険や持ち家の書類、子ども関連の書類など
絶対に捨ててはいけない書類が、たくさんあるはずですから。 - 夫の〇〇は、あなたのものじゃなくてご主人の物です。
ときめくかときめかないかを決めるのはご主人ですから勝手に捨てちゃだめですよ。 - 集中的な「片づけ祭り」の時間、フルタイムワーママのあなたには
今は難しいと思います。まずは…
などと、お客様のご家族構成や生活スタイルを確認しながら
こんまり流お片づけをまねできる部分とするべきではない部分を
お伝えしてきました。
こんまりさんであろうが
他の片づけのプロであろうが、
あなたの暮らしの「最終決定権」を
他の誰かに任せっきりにしないで。
片づけのプロの仕事は、
「自分の暮らしをどうするかを、お客様自身が決める」
ためのサポートです。
そのために、
お客様自身の事や普段の暮らし方、
理想の暮らし方や生き方について
たくさんお話を聞かせていただきながら
より深くお客様を理解し、お客様にピッタリの
ご提案を模索しようとしています。
ですから、たとえプロに言われた事でも
疑問や不安があるなら、
心から納得できていないなら、
質問したり確認したり反論していい。
どれだけすごいプロに見えても
言い切って一方的な指示をするようなら
その人はやめておいた方がいい。
片づけのプロは神様ではないし、
お客様も神様ではない。
対等で本音のコミュニケーションをとることで
お客様にとって最善の答えを、
一緒に見つけていきたいのです。
だから今回のこんまりさんのニュースを読んで
「えー…」って思っている方は、
こんまりさんのリアルで率直な感想に
裏切られた気持ちになるのではなく、
「こんまりさんでもそうなんだ!」と、
安心してくださいね♪
家族の暮らす家に一番大切なのは、
「片づいている事」ではなく、
「家族が安らげる家」であることですから。