■モノ・本・映画など ■家族

あなたの人生、片づけます

あなたの人生、片づけます

星野源と新垣結衣の「逃げ恥婚」という衝撃的なニュースが
流れた昨日、私はこんな本を読んでおりました。
(「逃げ恥婚」の経済効果、楽しみですね 笑)

垣谷美雨さんの「あなたの人生、片づけます」

主人公の「片づけのプロ」大庭十萬里さんが、
4つの異なる家庭で片づけの指導をする短編集。

最終的にはどのお家でもポジティブな変化が生まれる
という「お約束の展開」ではありますが、

この大庭十萬里さん(50代・ぽっちゃり・
何のオーラもない普通のおばさん)が、まあ面白い!

アドバイザー目線で言うと、
「いやいや、お片づけ作業の現場でやっちゃいけない事、
ぜーんぶやってるよね?言ってるよね??」な人でして、

とにかく、実に、「感じ悪い」(笑)

どのお宅も「身内からの依頼、本人はやる気なし」
という、ヘビーなスタートなので、

「いやいやこのケース直前キャンセル率めっちゃ高いからっ!
なんとか伺えたとしても、こんな失礼な態度とったら
即刻追い返されるからっ!」

と、心の中で激しくツッコミながら
(いや、単なる小説だけど)読み進めていると、

あえての確信犯か?
いや、やっぱりただの天然だな。

など、最後までなんともつかみどころがない十萬里さん。
でもお客様は、結果的に感謝・感謝のラストに。
(いや、単なる小説だからっ。)

とまあ、アドバイザー目線でも実に興味深い一冊ですが、
「片づけに悩む人」が読むのもおすすめ。

十萬里さんの歯に衣着せぬ「正論」は、
片づけのプロでも「おいおい」と思いますから、
「悩む人」が読んだらきついのか?

いや、逆に

「自分が説教されているのではない」ので、
致命的な傷にはならないのでは。

そして、自分に引き寄せて考えてみると
納得できる部分も大いにあるはず!
※本の感想にも「これに沿って片づけた!」
という方、いました。

本に登場するお客様達も、ムッとしながら
「言われる側の気持ちと言い分」を代弁してくれるので
そちらに共感しながら読めます。

そして十萬里さん、
確かに言う事も態度も感じ悪いけど(笑)、
彼女のお客様への想いは「本物」だから。
(ちょっと片づけオタクだけど)

最後の短編では思いがけず泣かされましたが
(なにせ共感力高いし涙腺弱いお年頃ゆえ)

読み終わっての感想は、
「片づけの仕事は、本当に様々な人生に
寄り添わせていただく仕事なんだよなあ」
ということ。
物じゃないのよ、人なのよ、と。

ピンときた方、良かったら読んでみて下さいね。

同じ著者のこちらも、痛快で面白いよ!

© 2024 幸せな毎日の「整理力」 Powered by AFFINGER5