■整理・収納・掃除 仕事の現場で

本の整理:本好き片づけのプロのコツ 8+1

本の整理:本好き片づけのプロのコツ 8+1

先日、あるお宅のお片づけサービスの最終回として
本棚の整理のお手伝いをさせていただきました。

「本の整理をお願いされること、多いですか?」
「片づけのプロの方のSNSでも、『本の整理』って
あまり書いてない気がして」と言われました。

…確かに。

そして、そう聞かれて改めて気づきましたが、
私のお片づけ作業のお客様は、本好きが結構多い。

きっとそれは、私(我が家)も本好きで、
本がとても多いから、類友を引き寄せてるんでしょう。
※自宅セミナー時代は、我が家のリビングにある
大きな本棚の画像を見て来た方も多かったです♪

で、本好きのお客様方のお宅で
実際に本の整理をしてきたかというと、

家中の片づけが進み、「本の整理」の段階になると
そこからは日程の予約が止まる方も多いので(笑)、
半々ぐらいでしょうか。

その理由は様々で、
「本は多すぎてそのうち、いつか…」とか
「本は結局、自分で判断するしかないし」とか
「本は減らせる気がしないから意味がない」とか
「本は自分でできる!」あたりです。

じゃあ実際にやるかというと、
その後「自分でやりました!」というご報告は
ほぼ受けたことないかも(笑)。

そのぐらい、本好きにとって本の整理は
ついつい先延ばしてしまう領域です。
※同じ本好きとしては、わかりみがすぎる!

そんな「本の整理」をご依頼いただいた時は
こんな感じで対応しています。

1.減らすのではなく「自分の棚卸し」

自分のその時の問題意識や価値観に合わせて買う本ですから、
本棚=「自分の頭の中」とも言えます。
ですからまずは「減らさなくちゃ」と思わず、
自分の頭の棚卸しをする気持ちで
「現状確認」してみようと考えてみるといいですね。
作業後は、予想以上のスッキリ感!を、体験できると思います。

2.複数個所に分散している時は「ルール決め」が先

本好きな方は家中に本や本棚が分散していることも多いです。
そんな時は「どの場所の本棚にどんな本を入れるか」の
ルール決めを先にお勧めしています。例えば、
・リビングは子どもの絵本と雑誌類
・大人の本は、趣味の物はリビング、仕事の物は寝室
などです。

3.箇所別に全部出し&分類

本の量にもよりけりですが、
大量にお持ちのお客様の場合は、作業時間に応じて
箇所別の「全部出し&分類」がおすすめです。
※箇所別ルールがないまたは混在している場合は、
この段階で移動して「交通整理」するのがベスト。

分類は、本の内容やジャンルに合わせてキーワード出し。
例えば「子育て」「料理」「ファッション」「仕事」など。
量が多ければ、それらをさらに分類する事もあります。

キーワードはお客様が出せるならそれに合わせて、
プロがお客様に確認しながら提案するのもスムーズです。

要不要の判断は、ジャンル別に分類した後の方がおすすめ。
まずはひたすら分類してみましょう。

4.分類ごとに要不要を考える

本の分類が終わった時点で
「自分はこの著者やこのジャンルの本が好きなんだなあ」とか
「自分はこんなテーマに問題意識があるんだなあ」など、
過去から現在までの自分の頭の中が見える化されて
結構気持ちが整理されているのではないかと思います。

ここからはやはり、
「手放せる本を見つける」のがとっても大事!
本好きは増えるペースも半端ないですからー(笑)。

「昔好きだった本」にこだわりすぎず、
でも「読んでなくても大事な本」も、やっぱりある。

情報系なら「最新である事」が大切だし
「べき」で買った積ん読本は、
自分の本心を探ってみる。

一言では言い切れませんが、
お客様には様々な質問をしながら
そのお返事によっては要不要について
私からのご提案もすることがあります。

でも最終的に決めるのは、お客様自身です。

5.ジャンル別に収納場所を決める

要不要の選別が終わったら次は、
「残す本」を収納するルールを決める番です。

よく読むか読まないか、
誰が取り出しやすい事が大事なのか、
どんなジャンルを近くに置くとわかりやすいか
など、

「分類が終わった本をどこに入れるか」
のルールを相談します。

もちろん、ジャンルごとの量も
考慮しながらの場所決めです。
「陣取り」合戦みたいですね。

場合によっては「家」ではなく「外部の保管サービス」
という居場所を作るお客様もいらっしゃいます。
お金をかけてでも保管したい場合は複数の保管先で
自分のニーズに合ったところを選ぶといいですね。

6.見た目にこだわりすぎない

本棚に収納する時は、
「見た目にこだわりすぎない」がお薦め。

片づけ好きな人にありがちですが、
「見た目をスッキリさせる」ために

・本にカバーをかけて見た目をそろえるとか
・本のサイズでそろえるとか
・本の色味をそろえる

などに意識が行きますが、正直おすすめしません。
※私も試したことはありますけど。

そもそも「ガチな本好き」にとっては
本の装丁も、その本の個性と魅力。

サイズも色もバラバラな本がずらりと並ぶ棚の光景は、

片づけ好きは「ごちゃごちゃ」と認識しがちですが
本好きは「この光景が好き!」という方も多いです。

もちろん同じシリーズの本は
並べるだけで見た目はそろうしスッキリ見えます。
でも「見た目」と「ルール」が両立しない時は
「ルールが優先」または「お客様の希望が優先」
と考えています。

本にあまり興味のないタイプの片付けのプロは
「お客様と自分の感覚は違う」可能性を十分自覚した上で
お客様のこだわりに寄り添いましょう。

7.処分本の手放し方を決める

ここは主にお客様がご自身で決める事が多いですが、
・捨てるのか
・宅配買取を申し込むのか
・メルカリなどで個別に売るのか
など、本別に決めて紙袋や箱などにまとめます。

片づけのプロとしては、
その後実行できたか、の声かけ確認ぐらいしか
できる事はないですが、片づけ作業の日に
宅配業者の引き取り日を重ねたりして
決心を後押しする事は可能です。

8.本がダメでも「書類」はいける

「本はなかなか減らせない!」という場合は
「書類」を頑張ってみるのがお勧め。

本は趣味嗜好や価値観と強く関係していますが
書類は「目的や要不要」が明確なので、
判断基準がわかれば後は力作業で進めやすいです。
※判断基準もプロに相談する方が早い。

本の多い方は、書類も未整理・溜めてる方多いので
先延ばしせずに「書類」だけでも頑張ってみましょう。

おまけ:「ダメ元で」電子書籍もすすめてみる

最後にこれはおまけですが、
本というアイテムをかさばらせない一番簡単な方法は
「電子書籍にすること」。

ですから「今後は電子書籍の購入を」
と勧めるのも大事です。

…ただ、私自身も正直、本は「紙派」(笑)。

古いと言われようがアナログと言われようが、
本は紙のページをめくって、なんなら
ページの端を折ったりして読むタイプ。
電子書籍で買うと、なぜか読み忘れます。

とはいえ、自分なりの基準で紙の本と
電子書籍を、買い分けてはいます。

本好きなお客様には「一応」提案しつつ
私と同じくあまり乗り気じゃないご様子に、

「ですよねえ~~。」

など、一緒に笑って終わりがち。

一番大事なのは、
お客様自身の気持ちがスッキリしたり
自分の価値観が確認できて本当に大事な本に気づけたり
大好きな本やよく読む本が取り出しやすくなること。

本の大好きな人にはぜひ
本と一生仲良くして欲しいなあ、と思います♪

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